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「先輩、顔が赤いですよ!?熱があるんですか?」
「いや、大丈夫」
その時、反対側から裾を引っ張られた。
「秀ちゃん……ひどいよぉぉ~((T_T))」
「ごめんごめん」
「柚樹ごめんねって」
「はぁ?」
「柚樹ごめんねって言ってくれないと許さない」
しょうがない。サービスで耳元で囁いてやるか…。
会計の耳元に顔を近づけて…
「柚樹…ごめんな」
「~~~///」
決まった(。-∀-)+゚。
「秀ちゃん…」
「ん?」
振り向いたのが失敗だった。
「~~~!」
「んっ……」
キスをされた。
っ!離れたいんだけどっ!?
そう思っても、頭を抱えこまれてるので逃げられない。
周りにいた奴等はこっちを見ていない。いや、見れない。
五十嵐君と圭介君は、浩樹に。音羽兄弟は、会長に。ワンコ書記は副会長に目隠しされていた。
「ふ……・・っん…ちょっ、やめっ……!」
「やめてあげない」
「はぁ!?ん~~!!」
やめろっ!舌を入れるな!
「かいっ…け・・い、やめっ…」
「秀ちゃん…好きだよ」
「いや、…お前はもう本気で嫌いだ」
俺はコップ片手に近くの流しに口を濯ぎに行った。
最悪だ…。本当に嫌いになった。前まではウザいくらいで、そこまで嫌ってはいなかったのに、今回ばかりは許せない。
「先輩……大丈夫ですか?」
「……圭介君」
「顔が青いですよ?」
「ん?大丈夫だよ」
「そう…ですか」
「心配してくれて、ありがとう」
「いえ…」
「速水」
「蓮見会長…今吉先輩……」
「さっきはバカな会計が失礼した」
「会計の東雲柚樹が失礼なこと…。恥をかかせてしまって、大変申し訳ありませんでした」
「もうその事は忘れます。だから、会計をもう近付けないで下さい」
「本当にすまなかった」
「すみませんでした」
そして暗いオーラのまま、教室に戻る。
「浩樹…俺、午後の授業サボるわ…」
「おー」
「あと、さっきはありがとな」
「ん?何が?」
「五十嵐君と圭介君を目隠ししてただろ?助かった」
「気にすんな。授業終わるまでには元に戻っとけよ!」
「あぁ、じゃ」
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