§最終章Ⅰ§

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先月の視察の日以来、敦志様の様子がおかしい。 あの日はたまたま私は用事があってご一緒できなかったのだが、何かあったのだろうか……? 敦志様自ら興信所に電話をして何か依頼をかけていた所も気にかかる。 普段なら秘書の私を通すのに、私にも知られたくないらしく、秘密裏に事を運んで何かをしようとしている。 極めつけは、急にある女性との見合いの席を設けてくれと言いだし、益々不審に思った。 今まで御両親に促されてお見合いをされることはあったが、自らそのように言いだしたのは初めてだったからだ。 春香様の一件以来、敦志様はすっかり人が変わってしまわれた。 仕事はきっちりこなされ表面上はうまくいっていたが、私生活は荒んでいた。
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