§最終章Ⅰ§

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世の中の女という女、全てに復讐するかのように、あらゆる女性と浅い関係を持ち、別れる時にごねられれば相手に物を与えて捨てるように関係を切ることを繰り返して…、見ていて痛々しかった。 信じていた女性に裏切られたショックは相当大きかったのだろう。無理もない。 でも……時はもう、十分流れた。 さすがにそろそろ忘れてもいいころだ。 もしかしたら加藤優子という女性が本当に気に入ったのだろうか? 年甲斐もなく恋をしたことを私に知られるのが嫌なだけだろうか?  だから私に関与させないのだろうか……? そうか、きっとそうに違いない。 やっとあの事件の呪縛のようなものから離たれたのだ。 楽天的にそういう結論に達した自分だったが…… 数日後再び大きな不安が襲いかかってきた。
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