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「赤ちゃん…ですね」
俺も敦さんも虚を突かれ、真実を問うように春香さんの方を見ると、彼女は黙ったままゆっくりと瞬きを一つした。
それが全てに通ずる答えだった。
「こちらをご覧下さい」
榊さんが胸のポケットから写真を取り出し、敦志さんに渡した。
「春香様の…いえ、正確には、敦志様と春香様の御長男の忠志(タダシ)様です」
敦志さんはこれでもかというほど目を開にしてそれを見た。
写真を持つ手は震えている。
「私の…子……?」
春香さんに今一度問いかけたが、彼女は目線をそらして口を引き結んだまま黙っている。
「どうしてもっと早くに言わなかった!?」
敦さんが声を荒げて写真を持ったまま、春香さんの両腕を掴んで揺さぶった。
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