§最終章Ⅰ§

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「この、指輪……は、」 「……馬鹿な女だと、笑いたければ笑えばいいわ…」 春香さんの瞳から大粒の涙が次々と零れ、 足元の絨毯を濡らしていく様を、 敦志さんは食い入るように見つめている。 「私は今でも、あなたを……愛してるのよ……っ」 敦志さんは春香さんを自分の方へ強く引き寄せてかき抱き、彼女を胸の中へ閉じ込めてしまった。 感情が崩壊してしまった春香さんをなだめるように髪を撫で、背中を撫でている。
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