§最終章Ⅰ§

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私としては危険を伴う火遊びに時間を割くよりも新しい恋をして、結婚に向けて前進して欲しい。 それに、復讐は新たな不幸の連鎖を生みだす火種となる。 仕返しをすることにより、敦志様に更なる災いがふりかかるようなことは絶対に避けたい。 だが、私ごときが進言してもはぐらかされて終わってしまう。 どうしたものだろう。 誰か、敦志様をお諫(イサ)めすることができる人物はいないものか…… 考えあぐねていた私の頭に適任者が浮かんだ。 春香様なら敦志様を止めることができるかもしれない。 少々荒良治だが、二人を引き合わせてみようか……? あの時、話をろくにせぬまま別れた形になってしまい、春香様御本人に言いたいことを言えぬまま終わってしまったのがいけなかったのだ。
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