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更には、範子内親王様まで産まれてしまったが為に、局様はますます平清盛様に睨まれたようでございました。
局様は、これ以上宮中に居ては、自らが争乱の火種になる……と思われて、宮廷から姿を消された由にございます。
内親王様を宮中に置いて、姿を消す事、どれだけお辛かった事か……。けれども、どれだけ辛かろうとも、争乱の火種になるような事は、と仕方がなかったようでございます。
そういう機微が解るご聡明な方でもあらせられたようです。
宮廷を去られた局様を思い、嘆き悲しまれる帝。そのお姿は悲痛という言葉、そのものだったそうでございます。
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