胎動

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「まさか、病を苦に自殺してしまうとは……」 医者は死亡診断書を書きながら、一人ぼやいていた。 「ハア、厄介なことになってしまったな…… 院長に何と説明すれば良いやら……」 そこに一人の看護士が入って来た。 「先生、先ほど亡くなった患者さんの遺体が霊安室にありません。 しかも霊安室に血痕が……」 「遺族の方が引き取って行ったんじゃないか? あの遺体は多少損傷していたからな。 動かした時に血が垂れたんだろう。 まあ、気の早い話だが」 「いえ、遺族の方の車がまだ駐車場にありますが……」 「じゃあ、遺体は先に葬儀会社が引き取って、遺族の方は病室の片付けでもしてるんだろう。」 「私は何の連絡も受けていませんが…… 先生の方はどうですか?」 「さあ?、そんな連絡はなかったな……」 そんな話をしていると、別のもう一人の看護士が入って来た。
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