6人が本棚に入れています
本棚に追加
「まさか、病を苦に自殺してしまうとは……」
医者は死亡診断書を書きながら、一人ぼやいていた。
「ハア、厄介なことになってしまったな……
院長に何と説明すれば良いやら……」
そこに一人の看護士が入って来た。
「先生、先ほど亡くなった患者さんの遺体が霊安室にありません。
しかも霊安室に血痕が……」
「遺族の方が引き取って行ったんじゃないか?
あの遺体は多少損傷していたからな。
動かした時に血が垂れたんだろう。
まあ、気の早い話だが」
「いえ、遺族の方の車がまだ駐車場にありますが……」
「じゃあ、遺体は先に葬儀会社が引き取って、遺族の方は病室の片付けでもしてるんだろう。」
「私は何の連絡も受けていませんが……
先生の方はどうですか?」
「さあ?、そんな連絡はなかったな……」
そんな話をしていると、別のもう一人の看護士が入って来た。
最初のコメントを投稿しよう!