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(おいおい、大丈夫かよ?)
誰だ、お前は?
(俺は……)
誰なんだよ?
(俺は、お前だよ)
何、言ってるんだ?
(俺はお前から産まれたんだから、そう言うしかないだろ)
私から産まれた?どういうことだ?
(お前の身体から発生した、新たなる生命体、それが俺だ)
私は男だぞ。そんなことあるわけないだろ?
(どう思おうとお前の勝手だ。俺はまだ時間が欲しい。せいぜい足掻いて少しでも生き長らえろ)
何?
(話は終わりだ)
目を開けると、そこは私の部屋ではなかった。
白い天井と壁、ベットはカーテンで囲まれている。
病院だろうと、すぐにわかった。
窓を見ると、既に日は落ちていた。
しばらくすると、看護士がやってきた。
「目が覚めたんですね」
「ここは?」
「ここは🌕🌕市立病院です。
市内で倒れたようで、周りの人が救急車を呼んで搬送されたんですよ。
栄養失調気味だったので、点滴をしました。」
「そうだったんですか……
しかし私にはお金が……」
「それは、今は考えない方がいいですよ。
まずは、身体を治すことに専念しましょう。」
「はあ……
そういえば、さっき、誰かいましたか?」
「記録を見ると、二時間前に回診があったみたいですね、それ以外に来た人はいないと思いますが……」
「そうですか…」
「明日は検査を行いますので、今日はゆっくり休んでいてください。」
それだけ言うと看護士は病室をでて行った。
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