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(検査したって、今更無駄だと思うがね)
「またお前か」
(俺の生命力は既にお前を凌駕している)
「何の話だ?」
(俺を殺そうとしたところで、まずお前の方が持たねえんだよ)
「だから、何の話だよ?」
(まあ、じきに解るさ……)
この声がどこから聞こえているのかは分からなかったが、端から見たら、私は単に独り言をしているように見えるかもしれない。
そんなことを考えていると、看護士が車椅子を押しながら入ってきた。
「では、検査の時間になりましたので、車椅子に乗ってください。
これから検査病棟に向かいます。」
私は促されるまま、車椅子に座り、病棟に行った。
その頃、連絡を受けた両親が、病院に到着していた。
十年振りの対面が、まさかこんなことになるとは……
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