第1章

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するりと解ける悠斗の腕に少し淋しさを感じながら、とりあえずリビングに通す。 「んで、どうした?何かあったのか?」 「あー、女の子にもう会わないって言われたんだわ」 「え?」 そんな事で落ち込んでるのか 「なんでかなー…」 今まで女の子の事で落ち込むことがなかったのに、その子は本命だったのか? 「お……ーーーひ…ーーなー…」 そうか、だから辛かったのか… それで俺に抱きついたのか… ギュッと眉を寄せて泣きたくなるのをこらえる。 やっぱ女の子じゃないとダメなんだな… 何て思ってると 「おい、柚月聞いてる?」 「え、あ、ごめん、どうした?」 「えー、や、もういいや。あー風呂借りていい?」 「え?何、泊まる気?」 「ダメなら帰るけど…」 淋しそうな顔をする悠斗に、振られたから1人が嫌なのかと思い、断れなかった。 「や、いいけど。何か服見てくるわ」 「ありがとな」 悠斗が風呂場に入ると、ふぅ、とため息をはく。 「本当に、望みないんだな…」 目をゴシゴシと拭い、悠斗のパジャマになりそうな服を探し脱衣所に置く。
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