第1章

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鬱々としそうな程の雨。 ジメジメとした部屋の中で携帯を片手に連絡を待つ。 今日は友人と遊ぶ予定だったが、この雨だ。今日どうする?とだけメールを入れておく。 「久しぶりだけど、相変わらず女の子と遊んでるのかねー」 独り言をボソリと呟き、今日遊ぶ予定だった友人について思い出す。 無類の女好きでよく違う女の子と遊んでは修羅場になることも多数。 本人はそんなつもりはなく、楽しく遊んでいるそうけど… 「彼氏、彼女なんて堅苦しい。なんで楽しく出来ないんだろう?」 が、口癖の男だ。 これで女が寄ってくるのは世の中不公平だと思う。 そんな事を考えていると携帯が鳴る。 画面を確認すると、友人から電話がきたようだった。 通話ボタンを押して電話にでる。 「もしもし」 「あ!もしもし柚月?外めっちゃ雨降ってるなー。どうする?」 「何処か出掛けるのも嫌な天気だよなー。悠斗はどうしたい?やめとく?」 「いや、久しぶりだし何かしようよ」 何かしようと言われても、この雨で外に出ずに一体何をするというんだ。 疑問をそのまま悠斗にぶつける。 「えー、じゃあゲーム。久しぶりに桃鉄とかどうよ?」 ゲームなんて長いことしてないなぁ…なんて思いつつ了承し、俺ー…柚月の家ですることに決まり電話を切った。
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