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あれから数週間たち、今だに悠斗の「好きだな」の声と笑顔が忘れられず悶々と悩んでいる。
そんな事を言われ慣れていないのでドキドキとするだけだと思っているが、悠斗が女の子と遊んでいるのかと思うともやもやとしてしまうのは、立派に悠斗の事が好きになってしまったと言うことではないだろうか。
「いやいや、まさかな」
男同士だし…何よりあいつは女の子好きだし。
そんな事を思うときゅう…と胸が締め付けられて苦しくなる
あぁ、恋ってこんな一瞬で墜ちてしまうのか。
「ありえないわー…」
「どうかしたの?」
声をかけられてハッとする。
目の前に上司の沙織先輩が立っていた。
「悩み事?相談のろうか?」
「い、いえ、すいません…ボーッとしてました。」
慌てて仕事を始めると、山本沙織先輩が横に座りニコニコと笑顔で
「恋の悩みでしょ?」
なんて言うものだから体がビクリと跳ねる。
「あ、当たり?やっぱり。さっき好きだなって言ってたからまさかねーって思ってたんだけど」
どうやら所々口に出ていたようだ。
沙織先輩に相談して解決するのかは分からないけど、ボカして相談してみようかな。
なんて思い、お昼に話を聞いてもらう約束をして、また仕事に取り掛かった。
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