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「え?ちょ、悠斗?ど、どどうした?」
ドクンと跳ね上がる心臓。
音が聞こえてるんじゃないかと言うくらいに脈を打つ。
腕をどうしたらいいのか分からないところが柚月の付き合いの経験の無さを物語る。
「悠斗?」
そしてフワッと香る甘いー…香り…
前にも悠斗についていた香りで、女の子の香水の移り香だろう…
ぎゅうっと胸が締め付けられ、何て残酷な奴なんだと思うが、こちらの気持ちを知らないのにそんな事を思う自分に心の中でバカだと笑う。
「ん?女の子と何かあった?」
出来るだけ安心させようと笑顔で聞くが、悠斗は顔をしかめただけだった。
「と、とりあえず俺抱きしめてどうすんだよ。部屋あがろうぜ、な?」
このままその香りを嗅ぎたくなくてグッと胸を押す。
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