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「あと15分くらいで到着するそうでぇ~す!!
相手は8人、車2台で来ます!」
浮かれた声でサークルメンバーに告知する後輩。
俺たち工大生は全部で14人。
相手の人数よりも大幅に多いこの中で、果たして彼らは女を取り合ったりはしないのだろうか・・・!?
純粋にアウトドアを楽しみたいと思って参加した俺にとっては、きっとこれから見るに堪えない光景が頻発するのだろうと覚悟する。
理系男子なんてダサい奴ばかり。
このサークルの奴らは少しはまともだが、それでも“高嶺の花”からどういう評価を受けるのか・・・?
「うぉぉぉっ!!
気合いいてれ持て成さなきゃ~!」
匠海はテンションを上げ、嬉しそうにタープの中へと向かう。
きっとあいつは張り切り過ぎて掻いた汗を処理し、乱れた髪型をワックスで整えに行ったはず。
―――今更気を遣ったって・・・。
いつも通り、ありのままの身形。
俺は女の前でカッコ付けるタイプではない。
それはきっと、新たな出会いの場に“初恋”の面影を見つけられないからだ。
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