74人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ、誰か飯盒(はんごう)持ってるやついないの?
飯盒で炊いた飯、めっちゃ美味いのにさー。
毎年米は、コンビニのおにぎりで済ませてるじゃん?」
直火で炊く白米の美味しさ。
飯盒で炊く米の醍醐味のルーツは、幼い頃の“林間学校”の思い出にある。
「小学生の頃、林間学校とかスクールキャンプでやらなかった?
飯盒で米炊いて、その間女子がカレーを作ってくれたりしてさー。」
甘酸っぱい思い出を語り、匠海に共感を求める俺。
しかし彼はコンロに付っきりで忙しく、俺の思い出話に適当な返事をして頷くだけ。
「まぁ、そんな思い出は誰にだってあるよな。
それよりも柊哉!
今日はあの“希恋館(きれんかん)女子大”との合同イベントだ!
こんなでっけぇ合コン、きっと大学在学中にはもうできねぇぞ!?
あ~、俺ら工大生にとっちゃ、本当は高嶺の花のはずなんだけどなぁ・・・。」
最初のコメントを投稿しよう!