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「あー、また始まったよ。
あれだろ?
小学生の頃年度初めに転入してきて、夏休み明けにまたどっかに転校しちゃったっていう。
そんな思い出よりも、今日の合コンに期待した方がいいって!」
「あ・・・、いや。まぁな・・。」
そんな事わかっているけど、なかなかあの子を超えるいい女には出会えない。
もう名前も顔もおぼろげで、覚えてる事と言えばただ1つ・・・。
「カレーな女なんだよ。」
「は?華麗!?」
「いや・・・。
カレーライスの方のカレー。」
真っ先に俺の元へカレーライスを運んできてくれた彼女。
たしか名前も、なんとなく“カレー”みたいな雰囲気の・・・。
「もう10年も前の事だからなー。
さすがにあまり覚えてないけど・・・。
とにかくめっちゃ可愛かったんだよ、その子!!」
見た目が可愛いだけじゃない。
肝試しでペアになった時も、強がるふりをしつつ俺の手を離さなかった。
教室でも席が近くて、頭のいい彼女はいつも俺に国語の勉強を教えてくれて・・・。
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