第九章 広がる狂気

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「ぁ、ぁ……あぁ、ぁ」   「礼奈?」 声が聞こえた。 「礼奈!」 両手を前に突き出し、声が聞こえたほうに向かって歩き出す。 すると、 「礼……」 木々の隙間からチラチラと明かりが届く、少しだけ広い場所に、 「礼……奈?」 「ぁ……ぁああ」 両頬に穴を開けられ、更に両手首にも穴を開けられた後、その四つの穴に一本の枝を貫通させる様に通し、まるで鳥の餌の様にぶら下げられている礼奈の姿があった。 「ひ、ひひひひぃ!」 カクッ、と地面に座り込む啓太。
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