第九章 広がる狂気

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「がぁぁぁぁああああ!!!!」 すると啓太が今まで以上に激しく暴れ始め、慌てて木の幹を掴むと、股間が擦り付けられるのを止めようとした。 だが、 「ぎゃぁぁぁぁあああああ!!!!!!」 無意味。 全く速度は変わらない。 むしろ、押さえつけようとした手も一緒に擦り付けられる事となり、皮が裂け、肉が抉れ、爪が剥がれだす。 ただ被害を増やすだけだった。 「ぎぃぃぃいいいいい!!!!!!」 怪物は、何の意味も無く啓太を木に擦り付けていた訳ではない。 こうして啓太を股間から、ヤスリを使う様に木の幹で削り落としていくのが目的だったのだ。 表面を硬く荒れた皮で覆われた木の幹は、人の柔らかい肌を傷つけるには十分な力を持っている。
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