5人が本棚に入れています
本棚に追加
「!!!!……!!…………!!!!!!」
礼奈の息が限界に近づいてきた。
腹の内側を歯で噛み千切り、外側からも握力の無くなった手を使い、必死に掻き毟る。
「 」
だが、そんな事をされても啓太はピクリとも反応しない。
「 」
幸か不幸か。
その時にはもう、啓太の意識も痛覚も、完全に消失していた。
(死ぬ……! 死ぬ……! 死ぬ…………死にたくない!!!!)
酸素が脳に回らない。
意識が朦朧としてくる。
腹の中で、もの凄い表情になりながら啓太の肉にかぶりつく。
口の中にたまる啓太の血肉を吐き出すことも、もう止めた。
吐き出す間も惜しみ、全てを飲み込み、必死に啓太の肉をむさぼる。
生きるために。
最初のコメントを投稿しよう!