第九章 広がる狂気

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バタンッ! 建物のドアを閉め、麗治を本当に4号館から追い出してしまう。 『開けてよぅ~、開けてよぅ~』 ドアの向こうから聞こえる、惨めな声。 「「あはははははははははははは!」」 それを聞いて爆笑する二人。 ある意味いつも通りの光景だった。 「開けて欲しいデブ~、開けて欲しいデブ~」 「あはははははははは! 語尾にデブ付けんなや! マジ似すぎ」 『開けてってば~』 「開けてブヒ~」 「あはははは! ちょ、マジやめて、笑いすぎてお腹痛い」 『開けてよぅ~、あ、開け……ブックシュンッ!』 麗治がくしゃみをした。 「「あはははははははははは!」」 「……何してんの?」 「あはは、……あぁ、月島か」 聞いてきたのは沙羅だった。 「何って、見りゃわかるだろ? 家畜とのスキンシップ」 博がニヤニヤしながら答える。 「……悪趣味ね」 「あ?」 沙羅は不愉快そうに表情を歪めると、 カチッ、ガチャ 「「あ」」 鍵を開け、そのままドアを押し開けた。
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