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「お、おい月島! お前何すんだよ!」
突然の沙羅の行動に対する博の抗議の声。
だが、沙羅はその声をそのまま無視して、外へ出て行ってしまう。
「ちょっと3号館まで行ってくるわ。もしかしたら今晩は向こうに泊まって帰って来ないかもしれないから、夜いないからって心配しないで」
「はぁ? おい、お前何言って、」
「それじゃあ」
どこから見付けてきたのか、懐中電灯の明かりを点けると、
「おいっ!」
かけられる声を再度無視し、そのまま行ってしまった。
「だからちょっと待てよ! ……月島!」
「い~じゃん別にさ~」
連れ戻そうと一歩踏み出した博の肩を、礼奈が掴む。
「だけどよぉ~……。これでアイツに何かあったら俺等のせいにされるんだぜ? メンドクセー」
博が不満そうな表情でぼやく。
沙羅自身に対しての心配は、全くしていなかった。
「……おい、さっきから何だよ、ウッセーなぁ」
ペタペタと、裸足の啓太が玄関にやってくる。
「ん? あぁ、啓太。あのさ……」
博が啓太に今までのやり取りについて説明する。
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