第九章 広がる狂気

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「でさ~、どうすっかな~と思っ――」 「馬鹿かお前等!?」 啓太が怒鳴った。 「な!? ちょ、ちょっと待ってよ! 何であたしらが怒鳴られなきゃいけない訳!?」 そう返した礼奈を、鋭い目で啓太が睨む。 「昼間の話聞いて無かったのかよ! 1号館と5号館の奴等が皆いなくなったんだぞ!? そんな時に何やってんだよ!」 「あ、アレはだから、ただのイタズラなんだろ? それに、お前だって昼間は俺等と一緒に豚まんの事苛めてたじゃねぇか。今更――」 「時と状況考えろ! ……おい、豚! もういい、中に入れてやるから早く戻ってこい!」 沙羅が出ていってからずっと開けっ放しだった、ドアの向こうに向かって叫ぶ啓太。 だが、 ……………………。 「豚まん?」 返事が無い。 「え、嘘……。冗談でしょ?」 礼奈の顔色が真っ青になる。 「……チッ」 舌打ちをすると、啓太が博の腕を掴む。 「この際月島はいい。もう今から追いかけても間に合わない。だから豚まんだけでも探すぞ」 「はぁ? 何で豚なんか……」 「博」 「……分かったよ」
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