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「でさ~、どうすっかな~と思っ――」
「馬鹿かお前等!?」
啓太が怒鳴った。
「な!? ちょ、ちょっと待ってよ! 何であたしらが怒鳴られなきゃいけない訳!?」
そう返した礼奈を、鋭い目で啓太が睨む。
「昼間の話聞いて無かったのかよ! 1号館と5号館の奴等が皆いなくなったんだぞ!? そんな時に何やってんだよ!」
「あ、アレはだから、ただのイタズラなんだろ? それに、お前だって昼間は俺等と一緒に豚まんの事苛めてたじゃねぇか。今更――」
「時と状況考えろ! ……おい、豚! もういい、中に入れてやるから早く戻ってこい!」
沙羅が出ていってからずっと開けっ放しだった、ドアの向こうに向かって叫ぶ啓太。
だが、
……………………。
「豚まん?」
返事が無い。
「え、嘘……。冗談でしょ?」
礼奈の顔色が真っ青になる。
「……チッ」
舌打ちをすると、啓太が博の腕を掴む。
「この際月島はいい。もう今から追いかけても間に合わない。だから豚まんだけでも探すぞ」
「はぁ? 何で豚なんか……」
「博」
「……分かったよ」
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