第九章 広がる狂気

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が、 バタンッ! 「「!?」」 礼奈がドアを勢いよく閉めた。 「な、……おい、今の話聞いてただろ? 豚まん探しに行くからドアを開け、」 「嫌っ!」 「……何?」 ドアを背に、礼奈が張り付くようにして道を塞ぐ。 「お、お前」 「ヤバいよ! 絶対危ないって!」 礼奈が半泣きになる。 「……いや、別にそこまで危なくねぇよ。さっき窓から裏の倉庫に向かう人影がチラッと見えたから、多分それが豚まんだろ。それが気になって俺も今玄関に来たんだし。外だと寒いから、少しでも暖かそうなとこに移動したんだろ」 「……そう……なの?」 「あぁ。だから探すって程の話でもない。ちょっと連れ戻してくるだけだから、心配すん……」 啓太が固まる。
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