第九章 広がる狂気

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ゆっくりとドアが開き始め、その向こうに「赤黒い大きな人影」が立っているのが見えたのだ。   「え?」「は?」 それを見た啓太と博が、ポカンとする。 とりあえず、状況が把握出来ない。 その人影に対し、逃げる事も話しかける事も出来ず、 「な、何よ突然。どうしたのよ」 ただ呆然と立ち尽くす。 「……ん?」 礼奈がスンスンと鼻を鳴らす。 「何か臭い……んん?」 そして、自分の背後から風の流れを感じる事に気付く。 「………………」 気になった礼奈がゆっくりと後ろを振り返ろうとすると、人影がグンッ、と礼奈の髪を掴み、自分の側に引きよせ、 バタンッ!! と、ドアを閉めてしまった。
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