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『ギィァァアアアアアアアア!!!!!!』
「礼奈!!!!」
外から叫び声が聞こえ、二人の体がやっと動き出す。
啓太がドアに急いで駆け寄り、その勢いのまま一気に開くと、
「だ、だすげでぇ~~~~~~~~~~!!!!!!!!」
ズルズルと、髪を掴まれたまま森の中に引き摺りこまれていく礼奈の姿が見えた。
「な!? れ、礼奈!」
「馬鹿っ! やめとけ!」
それを追いかけようとする啓太の腕を、博が掴む。
「な、何しやが、」
「逃げるぞ!」
「!?」
不必要な情報は何一つ伝えず、ただ簡潔に一言。
今最優先にやるべきであろう事を、博は叫んだ。
「…………」
「…………」
「………………わかった」
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