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「んガッ!」
啓太の拳が、博の頬を打ち抜く。
「んな!? て、てめぇ」
「逃げるんだったら一人で逃げろ。俺はアイツを助けに行く」
啓太が博を強く睨みつける。
「ば、馬鹿じゃねぇの!? あんなんどう見たって、」
「わかってるよ」
啓太が表情をゆるめる。
「けど、……友達だろ?」
「!? ………………」
博が俯く。
「俺はアイツを助けに行くから、お前は誰か人を呼んできてくれ。…………じゃあな」
それだけ告げると、啓太は一人暗い森の中に入って行った。
「………………何だよ、それ」
博が悲しそうな表情で呟く。
「格好つけてんじゃねぇよ。馬鹿じゃねぇの……」
小さな声で、もう一度呟く。
「馬鹿じゃねぇの……」
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