ラムネ

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ラムネ

私、湊川 一華(みなとがわ いちか)の親は有名らしいです。 理由は……父親が俳優さん。母親がモデルだからです。 …別に嬉しくない。 だって、人からは『親の七光り』とか、言われるんだよ。 小学校の時に劇をして、その時に言われた。 あと、どうしてもスタイルとかを母親と比べられる。 そんな事わざわざ口にする必要ある? …少し私が反抗したらいじめが始まる。 いじめられた分、私は大きい声で笑う。 そしたらね、向こうが気味悪がるの。凄く気持ちよかった。 私はお前らにいじめられても平気だぞって思われたくて…必死だった。 その結果私が得たものは何を言われても屈しない心と明るさと…後は性格の悪さ。 そんな私も高校生。 入学して3ヶ月が経った。 …色々思う事はあるけど、何とかやっていけてると思う。 クラスもある程度まとまってきたし。これなら8月にある夏合宿も大丈夫っぽい。 「そろそろ上がるよー。着替えてね」 部長の声でコートに整列して挨拶をして片づけを始める。 バレーはキツイけど…でも、その分凄く楽しい。 「お疲れ様でした。さようなら」 全てを片づけて着替を済ませた私は先輩に挨拶をして部室を後にする。 …中学の時に始めたバレーは私に合ったスポーツだったらしく、ドンドン成長していった。 嬉しいけど…でも、伸び過ぎて怖い時がある。 バシャー 私が真剣に悩んでいる時に……。 誰?水なんかかけてきたバカは。 「湊川か」 ……。 江野め。 水をかけてきといて、人の名前を呟くだけ?謝るってのは無いの? 信じられないんですけど。 ……ん? 何か匂うんだけど…。 水じゃ無い。 これ…ラムネ?ラムネだ!! ラムネの匂いがする!!
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