序章

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目の色以上に朔也が嫌われる原因になっているのは、やはりその性格。 朔也は性格に少し、いや、かなり問題があった。 周りのことのには無関心。 それでいて自分のやりたいように行動する。 口癖は「俺には関係ない」。 朝霧朔也はそんな人間だった。 もちろん、そんな朔也はわがままな少年として学園中に知られていた。 しかし、本来ならそんな態度が許される者など一部の生徒だけ。 来栖学園は家柄を重視するだけあって、その生徒たちも同じように家柄に縛られ、上下関係がはっきりしている。つまり朔也のような態度をとれるのは、家柄によってできあがったヒエラルキーの最上位に君臨する一部の者だけのはずなのだ。 けれど、朔也はそんなルールなど気にしていない。 だからこそ、この学園の生徒は朔也を異端者として毛嫌いする。
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