パーミッション

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 さてさて、話は変わりますが。  敵幹部クラスと目されるパーミッション二名とのファーストコンタクトを果たして、もう四ヶ月が経過しました。  その間に起こった状況の変化と言えば、先程までに述べた事がほぼ全て。  つまり、我々としては状況の悪化が何一つ無い訳です。  少なくとも表面上は。  その事実の、何と不気味な事でしょう。  いくら戦闘による敵側の成果を、主にケイさんという極大戦力によって封じているとは言え。  勿論それをいぶかしみ、件のパーミッションを探さなかった訳はありません。  ですがその結果が、全く芳しくないものだったのです。  私の空間魔法使いとしての最大スペックと、ケイさんの膨大な魔力を惜しみなく注ぎ込んだ「二世界同時索敵」を行っても、パーミッションを捕捉する事は叶いませんでしたから。  恐らく有史以来のぶっちぎりで最大規模と最高精度を誇る索敵魔法だったはずですが、それが空振りに終わったというのは私にとって大きな衝撃です。  当初の予定ではトリヴァースとジヴァースを分けて索敵するつもりだったのを、私が念を入れて両方同時に行いましょうと提案したんですから。  ……その提案をした際、リリアーヌやアリスどころかケイさんですら、凄い目で私の顔を見てきたのは今でも覚えています。  ええ、分かってますよ。  索敵魔法なんて普通、小国一つを丸ごと索敵出来る程度で超が付くほどの一流術者として扱われるんですから。  索敵規模の拡大に伴って、指数関数的に難易度を上げるんですから。  それでも、召喚師にとってははっきり言って通常技能なんですよ?  ……「小国一つ」、という規模までなら。  …………ケイさんですらその規模止まりですけど。  はい終わりましょう。  人外アピールはどちらかと言わなくてもケイさんの専売特許です。  何よりアピールしてしまっている私本人にとって、ダメージが深刻な話題です。  続ける理由が何処をどう探しても存在していませんね、ええ。  という訳で、パーミッションの影も形も無い状況が続いています。  このまま舞台裏にひっそり消えていってくれればそれが一番なんですが。  特に少年の姿をしていたパーミッション───ガンマには会いたくありません。  何と言うかこう、背中がぞわぞわしてくる視線を向けられてから、結構な苦手意識があります。
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