――圭佑1――

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無言でハンドルを握りながら、隣へ少しだけ視線を向けた。 同じく無言でそこに座る彼女は、両の手を膝の上で固く握りしめたまま微動だにしない。 俯いているので髪に隠れて表情も見えない。 ――終わった。 何よりも大切なものを、俺は自ら手放してしまったんだな。 でも、これで良かったのかもしれない。
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