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別れ話を持ち出したのは俺だった。
不意に、なんの前触れもなく。
助手席で笑みを浮かべながら俺の話を聞いていた彼女は、ほんの一瞬、時間の流れから外れたかのように動きを止め、そして烈火の如く怒り出した。
どうして?
何故そんなこと言うの?
私何かした?
理由を言ってよ!
なんで?
嫌!
嫌だよ!
ねぇ、どうして…?
口走った俺だって、理由がわからない――いや、わかってはいるのだが、そんなことを言うつもりはなかった。
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