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「なんで合掌してんの?」
笑窪がとても似合う笑顔。
「あーいや…これは…明日オーディションだからさ!」
「そっか!頑張れよ!」
出窓を挟んで喋れるのはもうこれで終わっちゃうのだろうか。
「齋藤くんってさ!桜の彼氏だったんだね…?」
私は彼に背を向けて話しかけた。
「あーうん。そだよ。あー小島に聞いたのか。」
「うん…いいね!あんな可愛い彼女!」
私はそういって笑顔で振り向いた。
すると彼は少し悲しそうな顔をした。
「齋藤くんじゃなくていーよ。和馬で。」
と言って笑った。
「それは桜だけ~」
「…俺さ、片想いなのかもしんねぇ。」
「え…??」
「なんか桜俺に好きって言ったことねーし、振るのはいつも桜で告るのはいつも俺。」
と言ってまた笑った。
「かっこ悪…」
頭をかく齋藤くん。
「かっこいいっしょ…」
「え…??」
あ、やべ。
つい本音が(笑)
「一筋でいられる齋藤くんはすごいかっこいいと思うけど!自信もちなよ!」
と言って私なりに励ました。
綺麗事を並べとってもはっきりと彼に悟った。
「…おう。なんかりこちゃんって…なんか素直でいいやつだな!」
「え?」
「なんか初対面で分かったよ。いいやつっていうのがにじみ出てる。」
「オーディション頑張れよ!」
と言って笑って、私の頭を野球の帽子でぽんぽんと軽く叩いた。
そして私に背を向けグランドへ消えてった。
ずるくないかな…。
女ってさ。
頭ぽんぽんなんてさ!
男子にやって欲しいこと
ランキングで3本指にはいるとおもうんだけど!
ずるい…。
忘れるなんて…
できるわけないじゃん。
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