2

6/10
前へ
/33ページ
次へ
______________ _______________________ 「夏休みが始まるがくれぐれもハメは外さないように。以上!」 担任の無駄にでかい声が響きわたる。 「りこー!」 葵が私を手招きする。 私は葵の元へと駆け寄る。 「ん??」 「ちょっと話あるんだけど…いい?」 「え、あ、うん。」 私は葵の手に引かれて 人通りの少ない廊下へと導かれた。 「あのさ、急なんだけど、彼氏にさ、和馬どうよ!?」 「…っはぁ?!」 急過ぎて私は心臓の音が止まった気がした。 「あのね!和馬別れたけどさ!桜の話もそりゃするけど、りこの話がでてくるの!りこのこと可愛いって言ってるし、りこなら和馬の彼女にすごい似合ってると思ってさ!」 「え…でも和馬くんは…桜を…」 「え??問題ないっしょ!忘れさせればいいんだよ!」 葵はがはがは笑いながら 私の背中を叩いた。 「いやぁ~でも…?」 「それだけなの!考えといて!」 葵はニコッと私に笑顔を見せ体育館へと消えて行った。 そりゃ付き合えるもんなら付き合いたいけど…。 急過ぎてついてけない。 別れて大きなチャンスだって言うのに、なかなか一歩が踏み出せない。 桜はどう思ってるだろうか。 「なにしてんの??」 背後から話しかけられてビクッとした肩。 その声は。 「てめーか!」 私は回し蹴りをした。 「ちょいちょいちょい。女だろ????どうにかしたら?」 そこにいたのは泉。 「邪魔なんだよね。後ろに来られるのってすごい嫌。」 「お前が立ち止まってっから、俺が貴様の後ろに立ち止まらなきゃいけない状態になんだろ?」 「あーはいはい。」 私は耳を塞いだ。 「いや!てか聞いて!」 私は泉の手を引いた。 そして今あった経路を話す。 「え!それ大チャンスじゃん!!よかったな!!」 「でも…」 「おい!こんな千載一遇なのにお前はまた逃すのか??」 「…確かにそうだよね。」 「頑張れよ!」 泉は私の頭をぐちゃぐちゃ撫でた。 泉は本当にいいやつだ!!! こいつのおかげで高校やってこれてる。 今回は立ち向かうんだ!!!
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加