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「夏休みが始まるがくれぐれもハメは外さないように。以上!」
担任の無駄にでかい声が響きわたる。
「りこー!」
葵が私を手招きする。
私は葵の元へと駆け寄る。
「ん??」
「ちょっと話あるんだけど…いい?」
「え、あ、うん。」
私は葵の手に引かれて
人通りの少ない廊下へと導かれた。
「あのさ、急なんだけど、彼氏にさ、和馬どうよ!?」
「…っはぁ?!」
急過ぎて私は心臓の音が止まった気がした。
「あのね!和馬別れたけどさ!桜の話もそりゃするけど、りこの話がでてくるの!りこのこと可愛いって言ってるし、りこなら和馬の彼女にすごい似合ってると思ってさ!」
「え…でも和馬くんは…桜を…」
「え??問題ないっしょ!忘れさせればいいんだよ!」
葵はがはがは笑いながら
私の背中を叩いた。
「いやぁ~でも…?」
「それだけなの!考えといて!」
葵はニコッと私に笑顔を見せ体育館へと消えて行った。
そりゃ付き合えるもんなら付き合いたいけど…。
急過ぎてついてけない。
別れて大きなチャンスだって言うのに、なかなか一歩が踏み出せない。
桜はどう思ってるだろうか。
「なにしてんの??」
背後から話しかけられてビクッとした肩。
その声は。
「てめーか!」
私は回し蹴りをした。
「ちょいちょいちょい。女だろ????どうにかしたら?」
そこにいたのは泉。
「邪魔なんだよね。後ろに来られるのってすごい嫌。」
「お前が立ち止まってっから、俺が貴様の後ろに立ち止まらなきゃいけない状態になんだろ?」
「あーはいはい。」
私は耳を塞いだ。
「いや!てか聞いて!」
私は泉の手を引いた。
そして今あった経路を話す。
「え!それ大チャンスじゃん!!よかったな!!」
「でも…」
「おい!こんな千載一遇なのにお前はまた逃すのか??」
「…確かにそうだよね。」
「頑張れよ!」
泉は私の頭をぐちゃぐちゃ撫でた。
泉は本当にいいやつだ!!!
こいつのおかげで高校やってこれてる。
今回は立ち向かうんだ!!!
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