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「うん!」
私が和馬君の前に立ち、
和馬君は私の後ろで歩く。
「イカのゲソ焼き~…あ!あった!!」
「あった!」
後ろから聞こえた和馬くんの発見の声。
私はなんにも考えずただ見えたところへと右折した。
「ちょちょちょちょちょい!!」
私の手を取った。
しょうもないところでまた
胸が高まり緊張する。
「左折…。あ?あれ?そっちにもあったんだな!」
よく見ると左側にもイカのゲソ焼きが売っていた。
「あ、ほんとだ~じゃあ最初見つけたから右いくわ~。」
「はぁー?左だろ?」
「じゃあ!別々行動で!」
「そうしよう。」
よく分からないことで言い張り
お互い違う方向へと進んでいった。
「おじさーんいくらですかー?」
「お姉ちゃん、ゲソ焼きかい?150円だよ~!」
私は150円を渡し、ゲソ焼きを受け取り、左側のお店に向かった。
1人だけポツッと列から
坊主頭がでていた。
「…すみませーん。」
大勢の人々をかき分けて
和馬くんの後ろにまわった。
目線が上になる大きな背中。
少し白シャツから
洗剤の匂いがした。
…どう話しかけよう。
「あ…あ、あれ~?まだ並んでるのかな~??」
「はー?うるせーなー」
と言って笑った。
「おじさん、イカゲソ!」
「あい!120円!毎度あり~」
ん?待てよ?
こっちの方が30円もやすい…
私はイカゲソをちょびちょび
食べ始めた。
「ん??」
和馬くんは下を向いてる私を
覗き込んできた。
「…ちょ…。」
「なに??イカゲソ高かったのかなー?」
「うるさいなぁ!でもこっちの方がはやく買えたし、美味しいし!」
「はー?強がり。」
私の肩を押してきた。
わたしも続いて肩をおした。
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