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「てか、崖って何。」
ふと思ったよね。
「崖じゃなくて土手だよね」
「そう、それ」
2人で笑ってしまった。
そこから緊張が解けて、
緊張なんて一切しなくなった。
「はいっ、いただき~」
「おい!俺が買ったたこ焼き!」
「ふふふふははは。一個じゃ足りんわい。」
和馬くんが持ってるたこ焼きを口に頬張る。
「おいっこらっだせっ」
私の頬を摘んだ。
「なにふるのほ。(なにするの)」
「口からたこ焼き出てきそう…きったねえ!」
「おいこら。どっちが摘んだんじゃぼけぇ。」
ひゅーーーーーーーばーん。
「わあ!花火!」
「おーでけぇ!!!」
私は目を輝かせて見ていた。
この前のとは全く違う花火。
「綺麗…」
「…んな」
パシャッ。
あれ…ぶれちゃった。
「…くくく…。へったくそ。やば。」
私の耳に画面を覗いてきた和馬くんの髪の毛が触れる。
和馬くんが急に接近するもんだから、また緊張してきちゃったよ。
ドキドキする…
「…うるさいよ…。」
「俺の方がうまいよ。見てな。」
パシャッ。
「…。」
「ほらね?」
「写す花火がセンスない~。」
「は。がちうるさ。」
口が悪くて少し不器用で
笑顔がすごく似合う人。
でっかいうちわを煽っている和馬くんは少し私にも風を与えるように少し私側に傾けていた。
そんなさりげない優しさ。
「和馬くん…あのさ!」
「ん?」
「あの…なんて言うんだろ…」
「ふふ、ゆっくりでいいよ。」
今日じゃない。
告白は今日じゃない気がする。
てか帰る時が気まずくなる。
「花火終わりそうだね!嫌だね!」
「…は。なんだよそれ。わかんのか?」
と言ってまた笑う。
照れると下を向いて頭をかく。
下を向くと襟から見える襟足が見える。
少し天パなのが分かる。
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