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花火な終わり一斉に帰る人々。
周りはたくさんのカップルで溢れかえっていた。
近い距離で触れては離れる手。
私達は土手を上がった。
「ねぇ~手繋がないと転ぶじゃーあん。男ならスッと手を差し伸べなさいよ~」
隣のカップルが手を繋ぎながら彼氏が彼女をリードしている。
「…。」
気まずいな。なんか。
ポツ…ポツ…
「え?雨?」
手に落ちてきた雫を見てボソッと呟いた。
「今日雨の予報だよ?」
「え?そうなの???」
やばい…傘持ってないよ…
女子力のなさ!!!
でも些細なことかもしれないけど…天気予報を見てくれているっていうのが少し嬉しかった。
雨が少し強く降り始めた。
和馬君は持っていたビニール傘をさす。
持ってましたっけ?
気づかなかった…
「…濡れるからおいで。」
ドキドキ…
私はのそのそ傘に入り込んだ。
触れそうで触れない身体。
ドキドキしながら駅に着く。
もちろん満員電車。
和馬くんはビショビショだった。
多分和馬くんの気遣い。
くっついて歩いたらカップルになっちゃうから。
少し間をあけて歩いてくれたから
私は全く濡れずに気軽に歩いてた。
和馬くんはビッショビショ。
「すごい濡れてる…ごめん。」
「…こんな濡れてると思わなかった。」
と言ってふふって笑った。
うわぁ。すごい満員…。
「…やべぇな。電車。りこちゃん満員電車大丈夫?」
「平気!なれてるよ!」
…いや
私はなめてた。
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