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入学してから少し時間が経ち、
とても忙しい毎日が続いた。
ストレッチを念入りにしていると
「りこ!好きな人でできた?」
ダンス部で同じの
飯島桜(いいじまさくら)が私に話しかける。
だいたい一ヶ月経つと必ず聞かれる。
「いないけど、桜は?」
「桜ね!今付き合ってる人いるの…」
「えええ?!」
私は思いっきり床に寝っ転がって居た上半身を起き上げさせる。
「早くない?誰?」
「齋藤和馬(さいとうかずま)くん。」
誰やねん。
誰やねん。
「あのね、実は中学からなんだぁ。」
「へぇ~そうなんだ!いいね!何ヶ月ですか?」
私はひやかすように、肘で桜をこずいた。
桜はニヤニヤしながら答える。
「うーん合わせて8ヶ月くらいかなあ。」
「そうなんだ。じゃあ一回別れちゃったの??」
「そうなの…桜に好きな人できちゃって。」
「そうかーまあ色々あるよねー」
「なんか今も微妙なんだよねえ、和馬なんか最近ぼーっとしてるから、なんかあると思うんだよね。まあ自分の立場だったら言えないけど…。」
「大丈夫っしょ!気にすることじゃないよ!」
私たちはこんな話をしながら
ストレッチをしていた。
桜は白くて細く頭も良い。
なにより優しくおとなしい。
そんな桜は自分を出してみたいと思い、ダンス部に入ったという。
こんな子彼女だったら
彼氏も鼻が高いだろうに…。
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