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それに比べて私は… ちょっと太ってきたお腹をつまみ 羨ましく桜を見つめる。 あー あんなにスタイルが良かったらなあ。 そう思いながらも 首にかかっていたタオルを取り レッスンを始めた。 「次の大会は2、3年生と1年生2人の計25人で出ます。1年は入ってばかりだけどオーディション始めるから練習しといてね。」 と軽く先生がつぶやき、 レッスンをあとにした。 ふぅ…2人か… 3歳から始めていたダンスは そこそこ得意ではあった。 負けず嫌いなので… ぜひともここは2人のところには 入りたいと思う。 よし、頑張るぞ。 レッスンが終わりみんなが教室を去って行った。 私は一人残ってペットボトルに入った水を一気に飲み干し、練習を始めた。 滴る汗。 曇る鏡。 火照る顔。 私はなにも気にせず 無我夢中で踊っていた。 「…なぁ…おい。おい!」 窓から低く大きな声がした。 だが窓はカーテンで隠れているため、太陽に照らされた影しかカーテンに映らない。 私はビクッとなった肩をゆっくりと下げ冷静を装って、ゆっくりとカーテンを開ける。 「ううあわあぁ…」 カーテンを開けると意外と近い距離に 野球のユニホームを着た少年が立っていた。 背が高く坊主のガタイが良い好青年。汗をかいているが、顔が崩れないタイプだ。少し焼けた顔は赤く、目も真っ直ぐだった。 「…。」 なにも話さずただじっとみてくる、少年に私はゆっくりと話しかけた。 「あ…え…。なんですか?」 少年は自分も驚いたようにビクッとなり、口を開けた。 「あ、いや。クーラーついてるかなって。」 少年はユニホームの袖で 汗を拭いていた。
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