平凡と問題児と

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* 「今年の編入生たちは変わってて面白いね」 「ああ……まあ確かに。俺は普通だと思うけど」 「いろいろ事件に巻き込まれてたみたいだね。あの喧嘩面白かったよ」 「あ、あはは……」 もうそこから知られてんのか…… 一体いつから目をつけられていたんだろうか。 「水飲む?」 「え、あ、いただきます……」 喉は乾いていた。 さほど多くはない水を飲み干す。 「兄さんに気に入られるのもわかるな」 「からかわれてるだけですよ、あんなの」 「ほんとにそうかな?」 どうも寮長の話になってから、雲行きが怪しい。 まさかのまさか。 「俺が1番嫌いな人間、教えてあげようか」 彼は緩やかな手つきで俺の顎を持ち上げると、俺を真っ直ぐに見つめて優しく笑う。 「偽善者と、兄さんに近づく奴」 ブ、ブラコンだった~~~~!!!! *
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