筋金入りの射手達

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 世界平和。そんな風に吟われてたのも数十年前の話だ。海を挟んで対立していた大国、A国とB国の技術・軍事力・宇宙開発その他諸々の争い、俗に「冷戦」と呼ばれる一連の事象はB国の崩壊と言う形でなし崩し的に終わりを迎え、それからと言う物、世界各国は表面上の「世界平和」を迎えていた。  しかし、そんな平和のメッキも剥がされるのに時間は掛からなかった。世界最大の国土を誇るC国が周辺諸国までもを自国の領土だと主張し、実質的な支配下に置こうと動き始めたのだ。陸続きの隣国であるD国はこの動きに反発するのだが、その敵意と銃口をC国ではなく海によって隔てられた隣国H国に向けた。H国内に軍の駐屯基地を有する大国A国は『これは我が国に対する威嚇でもある。直ちに辞めるように。聞き入れられない場合は我が国は軍を動かす。』と公の場で宣言するが、C、D両国は聞く耳をもたず結果、A国の軍隊がアジアの極東に出兵する事となる。  面倒事と言うのはどうして重なってしまうのだろうか。それは個人レベルだろうが国家レベルだろうが関係ないらしい。東アジアでの各国の緊張が高まる中、世界有数の石油噴出国が集まる中東での内戦が激化したのである。石油資源の価格高揚を危惧した先進国各国はA国が内戦鎮静化へ向けての武力介入の為に軍を動かした事を口実に自国の軍を次々に出兵。中東の地にて各国の軍隊が顔を合わせる事となる。  こうなってしまえば後は戦いなど簡単に起こってしまう。A国の兵士が何者かに銃撃を受けたのだ。事故か故意か、命令があったのか個人の意思なのか、疑問や不明瞭な点はあるものの問題視されるのはそこではない。兵士が撃たれたと言う事実のみが問題となる。兵士の体内から出てきた銃弾はE国の正規軍隊の使用するライフルの弾であり、これによりA国はE国からの宣戦布告と受けとり、これを端に世界を巻き込んだ大戦へと戦火は広がっていくこととなる。
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