筋金入りの射手達

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 ユウロベットの突然の行動に驚いた通信士の一人が大声を張り上げた。対するユウロベットは冷静に淡々と返答する。 「貴様ぁ!一体何をやっている!」 「そのままそっくり同じ言葉を返してやろう。我々、通信士の仕事はなんだ?戦う兵士達に状況を伝え、情報を共有させる事だろう」 「だからと言って悪戯に兵士達を混乱させる必要があるか!」 「は?こんな狭い空間で終わりもしない議論に現をぬかせ、兵士達を見殺しにするほうが、よっぽど混乱させると思いますがね。今必要なのは我が基地の状況を兵士達に伝え、一刻も早く反撃に転ずる事の筈。自分はそれを実行する為に行動したに過ぎません」 「しかし……指揮官は……」 「指揮なら現場の兵士が執るでしょう。彼らも訓練は受けています。それよりも、敵は基地制圧が目的の筈ですから、この部屋の防御を固めるべきでしょう。仮にも前線基地に配備される人員なのでしょう?指揮官不在でも行動は取れるのでは?」 ユウロベットの発言は通信指令室に居た者達を冷静にさせ、行動を起こさせるのには十分だった。ある者は機材の前に座り直し、通信回線を開き、またある者は武器を構えて部屋の入口に陣取った。しかしながら、彼の発言を聞き入れなかった者も存在したのもまた事実である。 「ユウロベット!貴官の発言は上官侮辱罪に当たる!」 「そうですか。ならば自分の処罰に関しては戦闘が終了しだい聞きますのでその時に」 「貴様は自分の立場を弁えておるのか!」 ユウロベットはうんざりしながらも、飛び交う無線に耳を傾けていた。今は少しでも情報を集めるのが先決だと判断したからである。 ーーーーーーーーーーーーーーー 「やっとこさ警報なりやがった。爆発起こる前に鳴らせってんだ」  ドーシャスは焦っていた。瓦礫によって廊下が塞がれてしまい、目的地まで大きく迂回せざるをえなくなったからだ。
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