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ゆいは屋上で泣いていた。
「皆酷いよ、酷すぎるよ。
アキが一体何したって言うのよ。
アキがどれだけ頑張ってたか、誰も知らないくせに」
ゆいは悔しくてたまらなかった…。
今までずっと我慢して来た。
企画部の新入社員は、アキの事を知らない。
アキがどれだけ仕事を頑張ってたのかも知らない。
そんな人達に、アキの事は言われたくない。
「高梨さん」と呼んだのは桜田だった。
ゆいは涙を拭きながら振り向いた。
「すいません、皆に迷惑をかけてしまって。
噂の事を知りながら、僕は何も出来なくて。
皆さんには、申し訳ないと思っています」
「申し訳ない…。
そんな言葉は聞きたくありません」
ゆいは拳を握り締めていた。
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