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桜田はそう言ってゆいに頭を下げ、屋上を後にした。
その桜田の後ろ姿は、哀愁が漂っていた。
「課長も辛いんだね…。
私だって、そんな事は分かってる。
でも、アキはもっと辛いはずなんです。
課長に逢いたいはずなのに、課長の声が聞きたいはずなのに…。
上司と部下と言うだけで、引き裂かれるなんて悲しすぎる…。
二人は結ばれる事はないのでしょうか」
しばらくして、ゆいがオフィスに戻ると、古田と京田が来た。
「高梨、皆の噂なんて気にすることはない。
星川の事は、俺達がちゃんと分かってる」
古田は、ゆいにそう言った。
「そうだぞ、高梨。
言いたい奴には言わせておけよ」
二人が励ましてくれて、ゆいは微笑んだ。
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