第二話 自分の姿

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ゆっくりと店のドアを開ける。 懐かしい店の風景が、アキの目に飛び込んで来る。 「アキちゃん!」 大将は驚いていた。 『大将、お久しぶりでした』 アキはそう言って、カウンターに腰を下ろした。 『大将、ビールお願い』 アキがそう言うと、大将はニッコリ笑った。 「はいよ、ちょっと待ってね」 アキはタバコに火をつけ、白い煙を見つめる 白い煙の中に、アキはゆいを見ていた。 ”ゆい…、お願い、来て…” と心の中で願っていた。 「アキちゃん、ビールお待たせ」 と大将はアキにビールを手渡した。 アキはビールを受け取り、一気に呑んだ。 ビールがやけに苦く感じた。
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