110人が本棚に入れています
本棚に追加
店にはアキしか客はいない…。
アキはすぐにビールをおかわりした。
二杯目に口をつけると、大将がこう言った。
「ずっと心配してたんだ。
一志が居なくなってから、アキちゃん大丈夫かなってさ」
ビールを呑む手が止まった。
『大将、ありがとう。
一志を空港で見送って、まだ一ヶ月しか経ってないんだよね…。
凄く昔の事の様に感じるのは何故だろう…。
一志の優しさが、いつも私を包んでくれた。
高校の時から、ずっと…。
あの優しさが、ずっとそばにあるって信じてたんだ、あの頃…』
一志の笑顔が浮かんで来る。
失ってから気づく大切なもの…。
もう二度と戻らない日々…。
最初のコメントを投稿しよう!