第二話 自分の姿

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”分かっている、でも、前に進めない…。 今まで、彼は出世のためにたくさんのものを犠牲にして来た。 そこまでして、頑張って来た彼の邪魔はしたくない” 店のドアが開き、息を弾ませたゆいが入って来た。 「アキ!遅くなってごめん…」 『ゆい、来てくれたんだね』 アキはそう言って、ゆいに抱きついた。 『ゆい、ごめんね。 私のせいで、ゆいにまで辛い思いさせてる。 ごめんね…、ごめんね…』 アキは泣きながら、何度もゆいに謝っていた。 ゆいはアキにこう言った。 「アキ、私は大丈夫だから、何回も謝らないで。 ねっ、久しぶりに逢ったんだから呑もうよ」 ゆいはそう言って、アキを座らせた。
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