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アキを失いたくない…。
でも、桜田には全てを捨てる決心などつかなかった…。
今まで、死に物狂いで走り続けて来た。
出世と言う、坂道を駆け上がって来た。
途中で止まってしまえば、後は下って行くだけ。
出世コースに乗った人間にとって、もっとも怖いこと。
「俺は弱い人間だよ…。
愛している人が居るのに、出世と天秤にかけてる。
どうして、愛する人のために生きられないんだ。
どうして、出世を捨てられないんだ」
迷路の中で、迷い続けている桜田…。
考えれば、考えるほど、迷路に迷い込んでしまう…。
出口は遠くなるばかり…。
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