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アキは今の自分が大嫌い。
うじうじして、自己嫌悪に襲われ、人を避けて、孤独に酔ってる。
これが本当の自分?嫌、本当の自分じゃない。
そんな言葉が、何度も何度もアキを襲った。
重い足取りで、会社に向かったアキ。
会社の入り口に入ると、そこにはゆいが立っていた。
「アキ、おはよう、久しぶりだね。
朝、アキの家に行ったんだけど、まだ寝てた。
ちょっと早かったもんね」
そう言って、ゆいは笑顔を見せた。
『ゆい…、おはよう。
ごめんね、来てくれたんだね…』
アキはやはり違っていた。
笑顔一つ見せずに話している。
「アキ、金曜日の夜、古田さんと京田さんが、皆で呑み会しようって言っててね。
アキも来てくれるよね」
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