第二話 自分の姿

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企画部のオフィスに入ったゆいは、桜田の席をじっとにらんでいた。 「高梨、何怖い顔してるんだ」 と声を掛けて来たのは古田だった。 「アキが可哀想です。 苦しくて、辛いはずなのに、一人でその苦しみと戦ってる。 出世って、愛する人を苦しませてまで、するものなのでしょうか」 ゆいの言っている意味は、古田には良く分かった。 古田は、ゆいにこう言った。 「ある一部の人間にとっては、出世が全てだ だから、周りが見えなくなったりする。 でも、あの人は違うと、俺は信じてる」 ゆいの肩を叩き、古田は席に着いた。 「私もそう思いたい…。 でも、アキは苦しんでるんです…。 愛する人の事を想いながら…」
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